賃貸最強
みなさん、おはようございます。

家族4人でアパート暮らしのこだまんです。

賃貸は気楽でいいですね。みんな何で莫大な借金をしてまで家を建てたがるのか意味がわかりません。

そもそも「家を建てる」という表現に違和感を覚えます。「建てる」じゃなくて「購入する」が正解ですよね。

学校を卒業して就職して結婚して子どもが生まれたら家を購入するという流れが一般的なサラリーマンの人生設計です。

みんな家を購入することがゴールかのように、その選択肢しかないかのように、家を買います。特に田舎の方では……。

家を買ったら35年の長期ローンを組んで借金返済のために定年退職まで社畜として働き続けることになるのに、周りからは「一国一城の主」と持てはやされていい気分になっている……。

いやいやちょっと待ってよ。その家、35年後にやっとあなたのものになるんですよ。だからそれまではお金を借りている銀行のもの。銀行から家を借りてるのといっしょです。

そんなぼくも最初は賃貸よりも家を購入する派でした。

それは「同じような金額を払うんだったら買った方が借金を払い終われば自分のものになるのでいい」という親からの洗脳的なものでしたが、いろんな本を読んでお金の勉強をするうちに「家は購入しない方がいい」という考えに180度変わりました。

今、家の購入を検討している方に「こういう考え方もあるんだよ」という参考になればと思い、本で学んだことをまとめておきたいと思います。



【サラリーマンのためのお金サバイバル術】岡本吏郎




●明治の富豪、安田善次郎は全財産の1割しか不動産を持たなかった。価格変動リスクのある不動産は全財産の1割以内しか持たないということ。

●住宅を購入している人の大半は財産のほとんどをリスク資産の保有に充てている。

●購入時、頭金をいくらにするかは運用利回りの放棄度合でしかない。

●不動産の値上がりが約束されていない限り、住宅の購入は不利な経済取引。じゃあ一生賃貸で過ごそうと考えることができるかというと、そう簡単ではない。多くの人が住宅やマンションの購入を考えるのは子どもがおおきくなってから。子どもの成長に合わせて物件を探そうとしても数が少ない。

●不動産を貸す方はせまい物件を多く用意して多くの人に貸す方が家を割高に設定できる上に家賃回収のリスクを分散できる。そのため家族の状況と賃貸に出ている物件とがミスマッチとなり仕方なく子どもの成長と共に住宅取得に動いてしまった人が多い。

●子どもを1人育てるにはマンション購入分くらいのお金がかかる。子どもを生むということは家を買うのと同じだけの出費がある、言いかえると子どもを生んだら家は持てないと言えるかもしれない。しかし世の中では逆のことが起きている。子どもが成長すると家やマンションを買う。

●それでも妻の感情に負けて家を建てた。二つの条件付きで。
①土地の安い田舎に行く。
②家は自分が元請けになって建てる。

●家を買うということは借金をして株を買うことと本質的に何もかわらない。

●購入と賃貸どっちが得か?という議論にはまったく意味がない。私が紙を何枚も使って書いてきたことは思考としての面白さはありますが意味がない。話は簡単。家やマンションを買える人は買えばいい。買えない人は賃貸で我慢してなさい。

●住宅やマンション購入の場合、転売を最初から考えないのであれば問題なし。むしろ非効率な市場であるため「お得」が転がっている可能性がある。それも中古物件を中心に資金繰りに困った相手が売却に出してきた物件は買うメリットが大いにある。したがって重要なことは「自分の支払い能力の把握」。そして住居費に収入の何割を充てるかを決めること。賃貸の場合は汚くてもいいから、なるべく負担が少なくて済む物件を借りること。



【投資戦略の発想法】 金融コンサルタント 木村剛


投資戦略の発想法〈2010〉
木村 剛
ナレッジフォア
2009-06





●住宅ローンは銀行員のすすめる変動金利は低金利時代であっても危ない。数%上昇しても払えるか考えてから変動金利を組むこと。昔のように給料も地価も右肩上がりだった時代とは違う。

●家は借りるべき。もともと家を持っている人、親からもらう人、現金一括で買える人は別。

●借金をして家を買うことに伴う3つの大きなリスク

家の資産価値:流動性、収益性、安全性に問題あり。土地はともかく建物部分の資産価値は間違いなく劣化する。

住宅ローン金利リスク:5000万円を毎月均等返済で35年ローンを組むと金利5%で1億598万円、3%で8,082万円の返済額となる。

住宅ローン返済原資のリスク:サラリーマンの返済原資は給料。給料がダウンするリスクや出なくなるリスクがある。予期せぬ出来事で収入が絶たれたり、地震などの天災に巻き込まれたり、病気になったりした場合、住宅ローンの支払いが重くのしかかる。家族全員が路頭に迷うリスクが高まる。住宅ローンを組む人たちは、そういうリスクをわざわざ背負おうとしている。

●持ち家を持ったら株式投資できない。

欧米銀行は年収の2倍以上を貸してはならないと行員研修で教える。年収の4~5倍の住宅ローンを貸す先進国は日本だけ。

●マイホームを買ったなら多少生活レベルを下げてでもローンを早く返せるようにすること。余裕資金はすべてローン返済に回す。間違っても株でひと山当てて一気に返そうとか考えたらダメ。

住宅ローンは月々払いのみでボーナス返済やステップ返済はしないこと。金利は迷わず固定。変動金利は金利が上がったときのリスクあり。

将来のことは読めないのでボーナスを住宅ローン返済に組み込むのはよくない。万が一ボーナスが出なくなったら一巻の終わり。最悪の事態を想定して住宅ローンを組むこと。そう考えると年収の4~5倍の借金は無謀。欧米では住宅ローン上限は年収の2倍、多くても3倍が常識。

●右肩上がりの給料と地価を前提に日本的な住宅ローンは普及してきた。政府も一貫してマイホーム政策を進めてきた。しかし、右肩上がりという前提は崩壊しているので、もっと常識的な額に留めなければならない。



【臆病者のための億万長者入門】橘玲




●不動産営業マンの定番セールストーク:「賃貸よりも買ったほうが絶対得ですよ。」

賃貸:払ったお金はすべて大家の懐に入る。

マイホーム:住宅ローンを返済し終えれば土地、建物は自分のものになる。おまけに今は超低金利だから賃貸よりもローン返済額の方がずっと安い。

●これらの理屈は直感的にわかりやすく反論の余地はなさそうだが「直感的に正しそうな話こそが最も疑わしい」というのが資産運用の基本。

●まず賃貸と所有でどちらが絶対に得だということは市場経済ではありえない。

●マイホーム購入は不動産投資なので地価が上がれば得、さがれば損。

●賃貸と所有の一番の違いは投資リスクの所在にある。借りてるだけなら地価が暴落しても隣に暴力団やカルト宗教団体が引っ越してきても自然災害でダメージを受けても何の問題もない。不都合があれば出ていけばよい。

●借金で購入していい家に住むのと借金で株を買った運用益で同じ物件を借りて住むのとでは同じ結果が得られる。

よって「賃貸よりマイホームが得だ」という話は「借金して投資した方が得だ」という話を言いかえただけ。なんでこんな詭弁を使うかというと「借金は得ですよ」では売り文句にならないから。

●マイホーム購入はレバレッジをかけた不動産投資で、それは株式の信用取引やFXと変わらない。

●世帯総数は2020年から減少に転じる。人口動態を考えれば今後、日本の不動産価格が値上がりする理由はない。都心一等地などは別としても地方や郊外では空室率の上昇にともなって格安物件がどんどん増えてくるのだから買い急ぐ必要などどこにもない。



【世界にひとつしかない黄金の人生設計】橘玲







●日本では30歳を過ぎる頃から、ほとんどの人が「家を持ちたい」という不可思議な衝動に駆られる。しかし、この衝動に合理的な根拠があるのかは検証されることがなかった。

なぜかというと金融・建設・不動産業など、この国のドメスティックな経済を支えている大きな部分が「家を持て」「一国一城の主になれ」と国民をマインドコントロールすることによって莫大な利益を得てきたから

家を購入した人が「自分の判断は正しかった」と回答する理由は簡単な心理学で説明可能。

●ふつうのサラリーマンにとって家を買うことは年収の4~5倍もの借金を背負い生涯賃金の2~3割にも達する巨額の商品を購入するということ。まさに一世一代の決断のはず。

●こうした重大な局面においては「支払った代償の大きさが自分の判断を正当化する」という心理の錯覚が生じる。

①100均でジャンク品を買ったとき→くだらないものを買ったと冷静に判断。

②100万円のもの→なかなか失敗を認められなくなる。

③1,000万円の支出→なおさら自分の判断を正当化したくなる。

●こうした心理を利用した50~100万円の自己開発セミナーがバブル前は多かったが今は不景気で10万円まで価格が下がり洗脳効果が少なくなった。

●100万円払った人の方が10万円払った人よりもはるかに高い満足度を得た。大きな金額の決断なので、元を取ろうとセミナーに前向きに取り組む。

100万円を払うという決断を正当化するために無意識のうちにセミナーをポジティブに受け入れる姿勢ができている。10万円しか払っていない人は半信半疑のまま。

もしかしたらだまされたのではないかと思っているのでセミナーをネガティブにしか受け入れられず洗脳の度合いも低くなる。

失うものが大きければ信仰も強くなる。

●オウム真理教等のカルト団体に入信するときは全財産をお布施しなければならない。これまで築いてきた全ての財産を失うという大きな賭けをすることで宗教心を揺るぎないものにするため。

財産を全て投じたらあとになってその判断を否定することは普通の人には不可能。自分のこれまでの全人生を否定することになるから。

年収の4~5倍もの借金を背負った人には全財産を教団に寄進した人と同様に、もはや自分の判断を否定することなどできるはずがない。簡単にいってしまえば、これが戦後日本社会を支配した「土地真理教」の洗脳テクニック。

●こう考えるとなぜ「持ち家派」の人が「家を買ってよかった」と主張して譲らないかがわかる。

●「賃貸派」には「持ち家派」ほどの確固とした「宗教心」はないので、ちょっとした誘惑で「持ち家派」に改宗してしまう。

●たいていの場合「賃貸派」が家を買わないのは「頭金がない」「気に入った物件がない」「面倒くさい」などの理由がほとんどなので「持ち家派」の宗教心を前にしてはひとたまりもない。

●不動産投資と株式・債券投資では利回りが同じでも保有コストのかかる不動産の方がパフォーマンスは下がる。取引コストも不動産の方が高い。

●不動産は取得コスト、保有コスト、売却コストのすべてにわたって株式や債券などの金融商品よりはるかにコストが高くなおかつ資産価値がときとともに減耗する。

セールスマン自身もまったく理解していないセールストーク「家賃を払うより金利を払って家を買った方が得ですよ」は「自己資金だけで資産運用するより借金して投資金額を膨らませた方が得ですよ」と同じ。

●営業マンは「金利の支払い」と「家賃の支払い」というまったく異なる支出を同一のものとして比較してみせることで、借りたお金で不動産を購入するほかに選択肢がないかのように巧みに論理をすりかえている。

それでも家を持たないと気が済まない人への住宅ローンを借りるポイント(低金利だから住宅ローンを借りて一国一城の主になりたい人、不動産投機にチャレンジする冒険好きが気をつけること)

できるだけ頭金を多くする。
・レバレッジ率2~3倍に留める。頭金の1~2倍まで。レバレッジ率5倍の投資なんてまともな人のすることではない。

金利が上昇するという前提で返済計画を立てる。
・低金利が30年後まで続くなんて幻想を抱くのはやめよう。景気が回復すれば金利は5~8%程度まで上がるはず。

ゆとり償還を使うのはやめよう。

地価の下落を覚悟しておく。

低金利のうちにできる限り借入元本を減らす。低金利のときはローン返済が効率のいい投資。



【お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015】橘玲




●持ち家とは賃料の発生しない不動産投資である。

●多くの人が持ち家の購入は「投資」ではなく、何か別なものだと信じている。投資用ワンルームマンションなどを購入し、それを他人に貸すことが「不動産投資」だとされているから。

●こうして「私はリスクのある投資をしない」と豪語する人が何千万円もの物件を購入している。

●しかし、これはこれは完全な誤解。持ち家の購入は不動産投資そのもの。購入した人がその物件に住んだからといって魔法のように損失が消えるわけではない。

●購入した不動産を他人に貸せば賃料が支払われる。自分で住めば当然賃料を受ける取ることができない。不動産投資と持ち家との違いはたったこれだけ。

●持ち家は自分で自分に不動産を貸しているので家賃が目に見えない。賃貸の場合は大家が家賃をもらうので大家に所得税が発生する。よって税金を払わないマイホームの方が有利になる。

●住宅ローンは株式の信用取引と同じである。住宅ローンを組んで不動産に投資するか、レバレッジをかけて株式に投資するかの違いだけ。このことに不動産の営業マンが気づいていない。

●永住を前提に家を買っても持ち家は有利にならない。地価が下がれば損する。地価の下落を予想するのなら賃貸のまま底値を待った方が有利。これでは株価が下がると予想しているにもかかわらず、借金をして株を買うのと同じ。

●「家賃よりも安く家が買える」ことはない。
3千万円のマンションを全額10年返済ローン(金利3%)で買うと月30万円以上払わないといけない。同じようなマンションを借りると月12万円くらいだからローン返済額の方が倍以上になり話にならない。だから不動産屋は長期ローンを組ませ家賃よりも安く買えるという売り文句で客に住宅をつかませようとする。

●30年後に手に入った「我が家」に価値はない。建物が古くなって誰も買わないのでリフォームするか建て直すかして価値を上げるしかない。

賃貸であれば30年後でも新しい家で生活できる。



【働く君に伝えたい「お金」の教養】 ライフネット生命CEO 出口治明




この本の中に「マイホーム神話にだまされるな!」という項があります。

そこで出口さんが若い世代にマイホーム購入を勧めない4つの理由が書いてありました。

①自分の流動性が下がる

長期ローンを組むと身軽に生きづらくなる。

●仕事を辞めにくい。

●引っ越ししづらい。

●(家から遠いところへは)転職しづらい。

●留学や起業しようとしたときに「失敗したらローンが払えなくなるかも……」と躊躇してしまう。


②家族形態の変化にあわせられない

家族の人数と必要な部屋数は変化していく。

夫婦2人にぴったりの家は子どもが大きくなると引っ越さなければいけない。

子どもが育ち盛りのときに買うと巣立った後の空きがムダ。

仮にマイホームを購入するなら、子どもが巣立ったあとがいいのでは。


③成長性のなさ

●人口減少、日本経済の低迷で(よほどの一等地でなければ)不動産価値の成長が見込めない。

●昔は土地を買えばどんどん値上がりするのが当たり前だったので長期ローンを組むメリットがあった。

●今はローンを払い終わるころには土地も建物も二束三文になっている可能性大。


④空き家の多さと買い手の不在

●人口減少中の日本の空き家は1000万個に迫る勢い。売り手が買い手よりも多く不動産価格は下がる。

なぜ持ち家志向が強まった?

●戦後の高度成長の影響。

●戦前は長屋文化の影響もあり持ち家比率は低かったが1950年に住宅金融公庫が設立され一般市民も住宅ローンが組めるようになった。

政府が市民に夢を持たせマイホーム購入で内需拡大を狙った。日本中がマイホームのために働き国は成長、地価も上昇。そして「土地神話」「不動産神話」ができあがっていった。

今、家を買うメリットは「老後も確実に住める家がある」くらいしかない。



まとめ

いかがでしたでしょうか。だいぶ洗脳が解けましたか?

これらの本を読んでぼくが出した結論は……

①家を購入して長期ローンに縛られた人生はまっぴらごめんだ、フレキシブルに生きたい。

②ゆくゆくは子どもが巣立っていくことを考えると今の家族形態に合わせて家を購入するのはもったいない。

③これから確実に人口は減少しお年寄りが増え空き家も増えていく。そしたら格安中古物件がどんどん出てくる。もし仮に買うとしてもそっちの方がお得。あわてて買う必要はない。

「人の行く 裏に道あり 花の山」ということで、ぼくはみんなと違う行動を取ってお花畑を見つけたいと思います。