生産性向上

みなさん、おはようございます。

普段はエンジニアとして特殊装置の設計・開発に携わっている15年選手のこだまんです。

ぼくの会社では社員の残業は特に何の決まりもないので自由にできます。

「今日は早く帰りたいな」と思えば早く帰れるし「仕事が忙しいから23時まで残業しよう」と思えば何の届出も上司への申告もなしにできちゃいます

そして残業代は100%支給されるという『超ホワイト企業』です。

定時は17時ですが、まずその時間に帰る人は誰一人としていなくて、みんな残業をして帰るのが当たり前になっています。

ぼくが入社したときからそんな感じだったので、もうそれがみんなの「常識」として刷り込まれているんですよ。

でも本音はみんな定時で帰りたいと思っているはずです。

ダラダラと長く働いても集中力が続かないし、疲れるし、遅くまで残業したら次の日の仕事のパフォーマンスにも影響がでます。

どうしてもやらなきゃならない仕事があるときはしかたないですが、そうでないときはなるべく定時で上がれるようにすれば、会社にとっても社員にとってもいいことしかないので「Win-Win」になれるわけです。

じゃあどうすればできるのかといえば、もうこれは「仕事のスピードを上げる」「効率を上げる」しかないです。



スピードアップの考え方


スピードアップというのは単純に作業スピードを上げるということです。

例えば製造業の場合、1日8時間労働で80個生産できるものがあったとしましょう。
そうすると、1時間あたりの生産量は

80個/8時間=10個/時

それを作業者が意識的に作業スピードを10%早めたら

10×1.1=11個/時

となり1時間あたり1個多く作れるようになります。

11/10=1.1 10%向上


当たり前ですが、作業者が意識的に10%作業スピードを上げれば10%生産性は向上します。



効率アップの考え方


次に効率アップですが、これは作業者が意識せずとも作り方を工夫したり、治具を作ったりして生産時間を短縮するという考え方です。

先ほどの例でいうと10%の改善ができたとすると

80個/8時間×0.9=11.11個/時

11.11/10=1.111 11.1%向上

同じ10%ですが効率を上げると11.1%の生産性向上となります。スピードアップよりも1.1%生産性が向上します。



効率アップ&スピードアップ


では効率が上がった方法で更に意識的にスピードを上げて作業するとどうなるでしょうか。

例えば10%効率アップしたやり方で10%スピードアップした場合は

80×1.1/8×0.9=12.22個/時

12.22/10=1.222 22.2%向上

効率アップとスピードアップのコラボだと22.24%の生産性向上となります。




毎日2時間残業している人が定時で帰るには?


これらを踏まえて毎日2時間残業している人が定時で帰る場合を考えます。

要は2時間という時間を効率アップとスピードアップで捻出できればいいわけです。

例えば8時間労働の人が2時間残業すると1日10時間働くことになります。

S:スピードアップの割合、K:改善の割合とすると

8時間×S/K=10時間 → S/K=1.25

となればいいわけです。

実際に数字を当てはめてみましょう。

スピードアップだけを行うとK=1なので

S=1.25×K=1.25×1=1.25

25%意識的にスピードを上げると改善しなくても2時間捻出できますが、どうでしょう、ずっと25%をキープするとなるとちょっと辛いですよね。

逆に効率アップだけを行うとS=1なので

K=S/1.25=1/1.25=0.8

20%改善すれば2時間を捻出できます。コツコツと改善を進めていけばできそうですね。

では効率アップとスピードアップの合わせ技だとどのくらいになるか?

11%効率アップ、11%スピードアップでS/K≒1.25です。

スピードは個人差があるので割合を下げて6%、そして15%の効率アップで同じS/K≒1.25です。

なんかこれならできそうな感じがしないですか。

定時の労働時間をR、残業時間をZとすると

S/K=(R+Z)/R

となるようなS/Kを求めて実践すれば定時で帰れるようになります。

ただし残業(Z)があまりにも多い人は、S/Kを高めるのにも限界がありますので、人に仕事を回すなり、人を入れてもらうなりしないと回らないと思いますが……。



まとめ


これは製造部門だけでなく、営業、出荷、総務、いろんなところで取り組めると思います。

スピードアップに関しては個人の意識によるところが大きいので安定しませんが、効率アップならやってしまえば確実に改善できるので、そっちを攻める方が賢いやり方です。

営業なら、お客さんを回るルートを最適化するとか、見積作成時間を短縮するためにエクセルでマクロを組むとか、報告書を廃止してメールやアプリでリアルタイムで情報共有するとか。

出荷なら、製品の置き方、置き場所を工夫して集める時間を短縮したり、在庫管理システムを導入したり。

総務なら給与計算、出退勤管理、有休・代休申請等をネット上でできるようにして紙を廃止しからデータへ移行したりとか。

自分たちがやっている仕事を見直すとムダなことがたくさん見えてくるはずなので、そこを改善していけば20%の効率アップは達成できそうです。


そしたらみんなが定時で帰れるようになって、人生で使える自分の時間が増えてハッピー、会社は残業代を払わなくて済むようになりハッピーで「Win-Win」となりますね。

未来工業はこれを実践している会社です。もうお亡くなりになりましたが創業者の山田昭男さんの本はけっこう読ませてもらいました。

DVDもあったんですね。面白そう。

トイレに行っても手を洗うな[DVD]
山田 昭男
ビジョネット
2009-03-31



あと、裏技としては改善が進まなくてもスピードを上げなくても定時で帰ることを徹底して「あいつは何があっても定時で帰るやつ」というイメージを刷り込むという方法もありますが……。

時間ってお金よりも大事ですが、お金よりも疎かにされがちなので今一度人生の時間の使い方をよ~く考えて悔いのない人生を生きたいものです。

「週4時間」だけ働く。
ティモシー・フェリス
青志社
2011-02-03



そのためにもまずは残業を見直しましょう。「定時で帰る」と心に決めて仕事に取り組めばスピードアップや効率アップを実践せざるを得なくなるのでムダが省けて時間効率が高まります。

そういうぼくはというと、まだ「毎日がNO残業」とまではいきませんが、最近は意識的に早く帰るようにしています。

今まで残業が当たり前みたいに日々を過ごしてきたので、これからは『NO残業が当たり前』になるように少しずつシフトしていきたいと思います。

みなさんもぜひ挑戦してみてください。